水シリーズ -part18 尿について-
尿
※画像は関係ありません
突然ですが、みなさん。尿(おしっこ)について考えたことがありますか?
これから尿の大切さについてご説明いたします。
私たちは生活の中で、食事や水分補給、運動や睡眠など様々なことを当たり前のように行っています。食事や水などで得た水分は口から消化器を通って必要な栄養分を吸収され、分解処理されます。この過程の中で大切になってくるのが腎臓です。
腎臓は血流量の豊富な器官であり、心拍出量の約1/4が流入します。その後、糸球体でろ過されて、1日あたり約180Lの原尿が生成されます。原尿が尿細管を通過する過程で、水分および溶質の再吸収や分泌が起こり、必要な物質が体内に保持され、不要な老廃物や過剰な物質が排泄されることにより、体内の平衡が保たれています。その結果、最終的には1日あたり1500ml~2000mlの尿となり体外へ排泄されているのです。
参考文献:シリーズ監修 奈良勲・鎌倉矩子,編者 梶原博毅・横井豊治, 標準理学療法学・作業療法学 専門基礎分野 病理学,第3版第5刷,2011年,株式会社 医学書院
尿の成分
尿には様々な成分が含まれています
正常状態で尿に含まれる成分は以下のものが挙げられます
1.尿素
2.アンモニア
3.クレアチニン
4.尿酸
5.アミノ酸
6.硫酸
7.リン
8.シュウ酸
9.ナトリウム
10.カリウム
11.カルシウム
参考文献:尿検査総論 尿の成分・外観
などが含まれています
アンモニアなどはみなさん一度は耳にしたことがあると思います。
これらを基本として、尿検査での異常などを判断していきます。
尿の異常
私たちは身体の様子が変ならば身体のどこかに異常があるわけで
「おしっこは身体の窓」、体調のバロメーターです。
病的状態で尿に含まれる成分は以下のものが挙げられます
1.蛋白質
2.グルコース(尿糖)
尿糖をきたす原因は様々であり,約 15%は糖尿病以外の原因に由来する.このため,糖尿病の確定診断には血糖値検査を行わなければならない.血糖値が正常でも尿糖がでる場合は腎性糖尿といわれ,尿細管障害が疑われる.
3.ケトン体
糖尿病,飢餓,アルカローシス,運動直後,脱水,妊娠などの状態で検出される
4.ビリルビン
5.血球
参考文献:尿検査総論 尿の成分・外観
尿の色
みなさんは、普段おしっこの色をみていますか?
男性は小便器に向かって排泄するため比較的見やすいですが、女性の場合はどうでしょうか?
それでは、尿の色について考えていきましょう
厚生労働省のホームページには以下のように説明されています。尿の色によって脱水か否か判断できます。
また、色によって病気かな?と疑うこともあります。
淡黄色~黄褐色
通常は淡黄色~黄褐色です。
透明
水分の摂り過ぎや利尿薬使用後に多い。
中には、尿崩症や腎障害の可能性があります。
濃黄色
肝臓や胆のうの病気である可能性があります。
赤色
膀胱炎、尿路結石、癌などである可能性があります。
白濁色
膀胱炎である可能性があります。
黒色
IgA腎症である可能性があります。
毎回、おしっこの色を観察し、自分が今どの状態にあるのか、「脱水かな?」「もしかして膀胱炎?」など、早期発見・早期治療に心がけましょう。