足がつる原因とは?
みなさんは、足がつったことがありますか?
今回は『つる(こむら返り)』についてお話しいたします。
足がつる仕組み
私たちの身体には、筋肉が収縮し続けると、それを緩めようとセンサーが働いています。しかし、何らかの理由により、そのセンサーの働きが低下し、持続した筋収縮を元に戻せず、その結果、足がつってしまうのです。
原因① 電解質異常
電解質とは、身体の中に含まれているナトリウムやカリウム、マグネシウムなどの物質のことをいいます。これらの物質は神経が情報のやり取りをする際に使われています。
原因② 水分不足
これに関しては、原因①電解質異常に近いですが、水分不足により、身体の中で脱水が起こります。その結果、電解質異常をきたします。大量の飲酒後も脱水を引き起こすため注意が必要です。
詳しくは、こちらをご覧ください
原因③ 血行不良
よくつりやすい箇所といえばどこでしょうか?多くは、ふくらはぎだと思います。ふくらはぎは第2の心臓とも呼ばれており、心臓へ血液を送り返すためのポンプ作用を持っています。加齢に伴う血管の柔軟性低下や動脈硬化によるもの、季節(特に冬は寒いため)によるもの、冷え性によるものなどが影響して、足に血液が十分にいきわたらず、筋肉が血液不足や酸素不足に陥り、筋肉が凝り固まってしまうことで発生します。
原因④ 運動不足(筋力不足)
運動不足でも足がつりやすくなります。普段運動を行っていないと、代謝も低下し、筋肉を動かさないため血流も低下します。その後血行不良を引き起こします。
原因⑤ 筋肉疲労
逆に、運動のしすぎでも足がつりやすくなります。激しい運動を行うと、汗として水分や塩分(ナトリウム)が体外へ排出されます(電解質異常)。また、激しい運動で足がパンパンに張った状態では、筋肉は老廃物が溜まり、血流不足を引き起こします。
原因⑥ 糖尿病
足がつるのが頻繁に起こっていると、もしかしたら糖尿病の初期症状かもしれません。糖尿病の初期症状では、三大合併症の1つに末梢神経障害というものがあります。高血糖症状により末梢(四肢)の神経に傷がつき、結果的に足がつります。明け方などに多いようです。その他に、多尿や喉が渇く、家族が糖尿病をもっているなどの症状があれば一度、内科の病院を受診されてもいいかもしれません。
その他
足がつりやすくなる病気をいくつか挙げておきます
表 こむら返りを起こしやすい病気 | |
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イオンバランスの異常 | 下痢、嘔吐、脱水、人工透析、熱中症 |
血管病変 | 血管炎、バージャー病、閉塞性動脈硬化症、下肢静脈瘤 |
代謝異常 | 低栄養、糖尿病、肝硬変 |
内分泌疾患 | 甲状腺機能低下症、副甲状腺機能低下症、アジソン病 |
神経筋疾患 | 脊柱管狭窄症、椎間板ヘルニア、脳梗塞、筋萎縮性側索硬化症、筋ジストロフィーなど |
骨関節疾患 | 関節炎 |
薬剤の副作用 | 高血圧の薬、高脂血症の薬、抗がん剤、喘息の薬、利尿剤、ホルモン剤など |
予防・改善方法
主な予防や改善方法をお伝えします。
① 運動
まずは、適度な運動が必要です。年齢を重ねるにつれて、運動不足や血行不良に陥りやすくなります。あくまで、筋肉を動かすという意味で、全身の有酸素運動を行いましょう。無酸素運動では、逆に筋疲労を起こしこれもまたつる原因になるため、あくまで、適度に。
② ストレッチ
こちらも、血行促進や疲労回復の目的で行います。入浴後などが比較的ストレッチに適していますので、静的なストレッチ(反動をつけず、ゆっくりと伸ばしたまま15~20秒キープ)を行ってください。
③ 食べ物・飲み物
まずは、しっかりと水分補給を行いましょう。その際、水分だけ摂取すると、水分と塩分(ナトリウム)のバランスが崩れるため、適度に塩分を摂りましょう。
ナトリウム:食塩など
カリウム:海藻類、芋、バナナなどに多く含まれます
※塩分(ナトリウム)の過剰摂取は高血圧や癌などの生活習慣病のリスクが上がるので注意
④漢方薬
芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)というものが、つる症状に有効とされています。気になる方は内科の漢方医にご相談ください。
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