九州DAN児

現役理学療法士が運営する ーがばいためになるブログー

水シリーズ -エナジードリンクの落とし穴-

 

 

 みなさんは、”エナジードリンク”を飲んだことがありますか?

本日はこの話題を中心にお話いたします。

 

 

 

「サイズもモンスター級!海外のエナジードリンク」の写真

 

エナジードリンクとは

 いわゆる、”レッドブル”や”モンスターエナジー”と呼ばれる飲み物の事を指します。

私は人生で1,2度ほどしか飲んだことがありませんが、知り合いの中には箱買いして毎日のように飲んでいる強者もいます。

 若い男性を中心に、愛飲者が急増しているエナジードリンク。ハードワークの多い人にとっては手軽にエネルギー補給できる飲料として、愛用しているユーザーも多くなってきているのが現状です。

 

 

 エナジードリンクの危険性

 「エナジードリンクを飲んでブーストするプレイヤー」の写真[モデル:段田隼人]

 

たくさんの方が愛用しているエナジードリンク。

ここでの落とし穴は、エナジードリンクは栄養ドリンクとは違う!ということです。

 ○栄養ドリンク=医薬部外品

 ○エナジードリンク=清涼飲料水

 ここには大きな危険が潜んでいます。

 その最も大きな理由とされているのが、カフェインの過剰摂取による影響です。

 

○主なエナジードリンクのカフェイン量

・モンスターエナジー(355ml):100mlあたり40

・レッドブル(185ml)    :100mlあたり43.2

・レッドブル(330ml)    :100mlあたり32

・レギュラーコーヒー       :100mlあたり60

 

カフェインの人体に及ぼす影響

 

これを見ると、「コーヒーより少ないからいいじゃん」と思う方がいらっしゃるかとは思います。

 カフェインの効能は以前にもお話しした通り、眠気覚ましなどの興奮作用や利尿作用などが挙げられます。

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適度のカフェイン摂取はいいのですが、過剰摂取になると、

  • 神経過敏
  • 手足の震え
  • 骨粗鬆症
  • 吐き気
  • 不眠
  • 頻尿
  • 頭痛
  • 動悸

などの症状を引き起こす可能性があります。

 心臓や肝臓にも大きな負担がかかりますので過剰摂取はやめましょう。

 

カフェインの人に対する影響

カフェインは、神経を鎮静させる作用を持つアデノシンという物質と化学構造が似ており、アデノシンが本来結合する場所(アデノシン受容体)にとりついてアデノシンの働きを阻害することにより神経を興奮させます。

コーヒーは、適切に摂取すれば、がんを抑えるなど、死亡リスクが減少する効果があるという科学的データも知られていますが、カフェインを過剰に摂取し、中枢神経系が過剰に刺激されると、めまい、心拍数の増加、興奮、不安、震え、不眠が起こります。消化器管の刺激により下痢や吐き気、嘔吐することもあります。

長期的な作用としては、人によってはカフェインの摂取によって高血圧リスクが高くなる可能性があること、妊婦が高濃度のカフェインを摂取した場合に、胎児の発育を阻害(低体重)する可能性が報告されています。

 引用:農林水産省

 

一日の摂取量の上限は?

「医者もドン引き!」の写真[モデル:Max_Ezaki]

 我が国、日本での決まった上限はありませんが、各国の上限を参考にみていきましょう。

世界保健機関(WHO)

カフェインの胎児への影響はまだ確定はしていないとしつつも、お茶、ココア、コーラタイプの飲料は同じくらいの量のカフェインを含んでおり、またコーヒーはその約2倍のカフェインを含んでいることから、妊婦に対し、コーヒーを、1日3~4カップまでにすることを呼びかけています。

米国

保健福祉省(DHHS)及び農務省(USDA)による2015年の栄養ガイドラインに関する科学レポートでは、健康な大人では、適正なカフェイン摂取、すなわち1日当たり3~5カップ又は1日当たり400 mgまで、であれば心血管疾患などカフェインの慢性的毒性のリスクは増加しないとしています。
一方、カフェインをお酒(アルコール)と一緒に摂取した場合の健康影響について懸念を示しており、アルコールとエナジードリンクを一緒に摂取するべきでないとしています。

欧州

欧州欧州食品安全機関(EFSA)は、2015年にカフェインについてリスク評価を行っています。
大人では、カフェイン摂取量が3 mg/kg体重であれば急性毒性の懸念はないとし、これから、体重70 kgの大人であれば、1回当たり200 mgのカフェイン摂取であれば健康リスクは増加しないとしています。また、習慣的なカフェイン摂取に関しては、妊婦を除く大人では1日当たり400 mgまでであれば健康リスクは増加しないとしています。

豪州・ニュージーランド

2014年にカフェインについてのウェブページを公表しています。
一日許容摂取量(ADI)などのガイダンス値は設定されていないとしつつも、カフェインの作用のひとつである不安作用(Anxiety level)から、子供では、3 mg/kg体重/日 を指標としています。5~12歳の子供では、1日当たり95 mg(コーラ約2缶)、大人では210 mg(インスタントコーヒー約3カップ)に相当するとしています。

引用:農林水産省

 

 上記より、1日の摂取量は400ml以内に抑えるのが理想でしょう。

 ここで注意していただきたいのが、上記表の主なドリンクのカフェイン量は100mlあたりを表していますので、実際のmlに変換すると1日1本~2本程度が上限といえますので飲み過ぎには気を付けましょう。

 

 

 

カフェインの危険な摂取方法

「猫舌のサードウェーブ系男子」の写真[モデル:大川竜弥]

 

①エナジードリンク+アルコール

 最近では、エナジードリンク入りのカクテルが提供される店が増えてきており、飲みやすく、若者を中心に人気があります。

しかし、この飲み物は本当に危険です。

米国疾病予防管理センター(CDC)は、エナジードリンクとアルコールを混ぜて飲むことの危険性に関して、注意喚起しています。
エナジードリンクとアルコールを混ぜて飲むと、エナジードリンク中のカフェインがアルコールによる機能低下を隠してしまいます。なお、カフェインはアルコールの代謝に影響しません。呼気中のアルコール濃度を低下させることもありません。
カフェイン入りのエナジードリンクをお酒(アルコール)と混ぜて飲むと、アルコールだけ飲んだ場合に比べて3倍飲み過ぎた状態になります。

引用:農林水産省

  

簡単に説明すると、アルコールは脳の働きを抑制し、カフェインは脳の働きを高めるので、効果が相殺され飲んでも酔いにくくなり、結果的に3倍飲んでいることとなり急性アルコール中毒に陥りやすいのです。

 

②エナジードリンク+服薬

 これも危険です。”薬と酒を一緒に飲むな”と聞いたことがあると思いますが、エナジードリンクと同時併用は危険と言われています。

 

エナジードリンクを医薬部外品と勘違いし、ユンケルや滋養強壮薬のような感覚で風をひいた時などに飲んでいる方がいます。

 

 

カフェインの摂り過ぎは心臓や肝臓への負担を増大させますので、どうしても飲みたいときは、ノンカフェインの飲み物を選びましょう。