明日からできる!独学で学んだコミュニケーション術
今回は、理学療法士という立場で、たくさんの患者さんと接していく上で学んだコミュニケーションスキルについて一部分だけ少しお話いたします。あくまで独学ですので、ご了承ください。
以前の性格
私は3人兄弟の次男で産まれました。兄は饒舌で私の言いたいこと・したいことを私が言う前に両親に報告しており、私が喋る暇を与えてくれず、おかげで喋りだすのがとても遅かったそうです。とても人見知りで、すぐ顔が真っ赤になりほっぺたがプクッと膨れ上がってアンパンマンのようだったと、当時のことを母が話してくれます。
私が、その性格を認知したのは小学校低学年でした。人と話すのが苦手というよりは、人見知りや赤面症が特徴だったと思います。活舌が少し悪いし、声も低かった。性格は当時から明るく、人気者であったと自負していますが、人前に出ると特にあがり症で顔が真っ赤になっていたのを思い出します。
当時、小学校では、『1分間スピーチ』というものが毎朝1人ずつローテーションで行われていました。それがその後の私を大きく変えるきっかけになったのです。
1分間スピーチ
当時の私には、1分間スピーチは本当に地獄でした。恥ずかしがり屋の私からすると、「クラスの仲間といえど、人前に出て1分間も話すなんて無理だ」。そう感じていたと思います。しかし、回数を重ねるにつれて当時のコンプレックスを克服していくことができたのです。
1分間スピーチの利点は、
①人前で話すことに慣れる練習
②話を1分という短い時間にまとめる練習
③起承転結で進める練習
④聞き手が興味の湧くテーマを考える練習
などが挙げられると思います。小学校当時はそこまで考えてスピーチを行ってはいませんでしたが、小学生の頃でも聞きたい話と聞きたくない話の区別はしていたと思います。
その後の性格
それ以来、人と話すこと・人前で話すことなどを克服しようと意識しました。中学校では、野球部副キャプテンや、生徒会副会長、体育祭副団長を務めました。あえて人前に出たり、人前で小ボケをかますことで、荒療治のようですがそうしていくことで克服していったのです。
そうしていくうちに『自然と人前に出るのが楽しく』なり、次第に『目立ちたがり屋』へと変化していったのです。
友人や職場の人からは、『よくしゃべるやつ』と思われていますが、この成長に一番驚いていたのはもちろん、私の両親でした。小さなころからあまり喋るタイプでない息子が外ではよく喋るやつの印象になっていたのですから。
現在
私は、理学療法士という仕事柄、多くの人と接する機会があります。外来リハビリのセラピストという立場で、数多くの患者さんと接し、職員も200名以上在職しています。そういった立場で、必ずとして必要になってくるのが、コミュニケーションスキルです。理学療法士というのは、患者さんとの技術ももちろんですが、信頼関係が第一であり、治療者・患者間の信頼度が治療に影響することもあります。患者側で治療に行く際、『治してくれる人』を求めます。治療技術はもちろん大事です。しかし、治療中無口で何も問診しない治療者や、なんの治療をしているのか分からない治療者を患者目線で見ると、『この先生大丈夫かな?』という不信感を抱きます。
例えば、腰痛症で来院された患者に対して、私は腰を触らず肩やお尻、足を触ることがあります。この際に、いきなりそういった部分を触っていると不審がられるのは当然のことで、中には説明不足で『セクハラされた』と訴える患者もいるのが現状です。
ゴッドハンドと言われている先生の講義を聞く機会がありますが、その先生方でも治せない患者はいます。それは、心理面の影響で痛みが出ている患者です。その際に必要になってくるのがコミュニケーションスキルなのです。
前置きが長くなりましたが、私が自然と身に付けた誰にでもできるコミュニケーションのレベルをお伝えします。あくまで一部分ですのでご了承ください。
コミュニケーションのレベル①~③
人は相手と話すとき、3つのパターンに分かれています。この3つのパターンを上手く使い分けることで、コミュニケーションが格段に上達します。
①が簡単で③が難しくなります。
①レベル1:相槌をうつ、はいはい、へーそうなんですねなどの返しパターン
相手の話を聞くとき、大抵の人はこのパターンを用います。一番簡単な返しですが、欠点があります。
1.多用すると、相手から話を聞いていないと思われる
2.話が途切れる、または、話が広がらない
多用すると、「この人はちゃんと聞いているのかな?」と思われてしまいます。そのため、a.うん(または、はい)1回 b.うん2回 c.無言でうなずき
このa~cを使い分けることで、話を聞いていると感じてもらうことができます。
会話の下手な人は、このパターン①しかできておらず、会話も続かないため損している人が多いです。
《例》
私「休日は何をして過ごしますか?」
A 「だいたい友人とゴルフに行っていますよ」
私「そうなんですね」
A 「ドライバーの調子が悪くてね」
私「はいはい」
A 「あんまりスコアが伸びなかったんですよ」
私「(無言のうなずき)」
A 「・・・」
これでは会話は続きませんよね。
②レベル2:相手に対して、オウム返しまたは、同情を行うパターン
このパターンでは、相手に対して①の相槌+αで行います。
《例》
私「休日は何をして過ごしますか?」
A 「だいたい友人とゴルフに行っていますよ」
私「へー、ゴルフですか」
A 「ドライバーの調子が悪くてね」
私「そうなんですね、悪かったんですね」
A 「あんまりスコアが伸びなかったんですよ」
私「そういう日もありますよね」
A 「練習が足りなかったかな。」
私「もっと練習が必要かもしれませんね。」
となるわけです。少し会話らしくなってきましたね。
③レベル3:相手の発言に対して、自分の知識や考え方を入れる
これは案外難しいことです。なぜか、例えば相手の話に対して+αで自分の持っている知識を付け加えたりしていき会話のキャッチボールを行う必要があるからです。
《例》
私「休日は何をして過ごしますか?」
A 「だいたい友人とゴルフに行っていますよ」
私「へー、どこのゴルフ場ですか?」
A 「〇〇カントリー俱楽部ですよ」
私「調子はどうでした?」
A 「ドライバーの調子が悪くてね」
私「スライスが多かったんですか?」
A 「そうなんですよ」
私「スライス困りますよね。フェースが開いているんでしょうね。」
A 「おかげであんまりスコアが伸びなかったんですよ」
私「100切れませんでした?」
A 「107だったんですよ」
私「それなら・・・」
となっていき、どんどん会話は進んでいきます。これがレベル3の技術です。
これを行う上で、相手の話す内容について少しでも知っている知識を持っている必要があります。
世の中には、趣味だけでもたくさんの種類が存在します。ゴルフ、釣り、スポーツ観戦、パチンコ、競馬、手芸、ダンス、麻雀、お菓子作り、読書、ショッピングなどなど数えきれないほどのものがあります。
また、例えばですが、
高齢者との会話は、農業の話や最近のニュースの話、健康の話などです。
中高年は孫の話や仕事の話など。
若年は最近面白かった話や最近話題になっているドラマや歌手の話、スマホアプリの話などをします。
これらを幅広く知っておく必要があり会話の中に自然と入れていくのです。
そのため、私はコミュニケーションのために様々なことを一度体験したりして、会話のネタにしています。
ここで注意していただきたいのが、あくまで会話の中心は『相手』であり、自分を中心に会話を回してはいけません。
《最悪のパターン》
私「休日は何をして過ごしますか?」
A 「だいたい友人とゴルフに行っていますよ」
私「そうなんですね、私もこの前ゴルフ行ったんですよ。〇〇カントリー倶楽部に行ったんですけど、調子悪かったんです。」
A 「一緒ですね。私、ドライバーの調子が悪かったんです。」
私「私もですよ。ドライバーもですけど、アプローチもいまいちでダメでしたね。あそこの7番ホールが特に難しくて.....」
A 「へー、はいはい」
私「やっぱり、ゴルフは......」
A 「・・・」
こうなると最悪のパターンです。一見コミュニケーションが上手で会話は弾んでいるようですが、これは私主体になっており、相手は不快に思います。
あなたの周りにもこういうタイプはいませんか?
ちなみに、私はお酒を飲むとこのパターンになり、相手の話題をヒントに私主体で話をしてしまう最悪のタイプになります。飲み会後、毎回反省しています。
おわりに
このレベル①~③を上手く交えながら行うことで会話のスキルが格段にアップします。これを取得すると、相手の反応はどのパターンか見極めてくいつきが悪かったら話題を変えたり、相手との信頼関係を築くことができやすくなります。
そうしていくうちに、自然と『聞き上手』になっていくのです。
世の中で成功している人々は、必ずといっていいほど『聞き上手』の方ばかりです。
聞き上手=話し上手になります。
これらを意識して、だれかと話してみてはいかかでしょうか?
新しい何かが見えてくると思います。