体温について
本日は、体温についてお話しいたします。
ヒトの体温
温活でも少しお話しいたしましたが、私たちの生活にとって体温はとても大切です。
体温調節には、脳の中にある視床下部下垂体系という部位が働き、下垂体前葉から出たホルモン(甲状腺刺激ホルモン、副腎皮質刺激ホルモン)が甲状腺ホルモンと副腎皮質ホルモンを増加させることによって代謝を亢進させ、産熱に働きます。
体温の基準
ヒトの体温は年齢や性別での変化や、1日のうち時間帯での変化など一人ひとり違います。
体温は
高齢者<成人女性<成人男性<幼児・小児
の順に高いです。
1日の中で、0.6℃~0.9℃の変動があります。
最も低い時間帯:午前5~6時頃
最も高い時間帯:午後3~6時頃
一般的に体温は、骨格筋量や皮下脂肪量、皮膚血管分布の差などで決まります。
そのため、幼児期・小児期の体温は成人より0.5℃程高いと言われています。一方、高齢になるほど、代謝機能の低下によりやや低くなります。
体温は一般的に直腸・口腔・腋窩で測定します。
直腸温:口腔温より0.2~0.3℃高い
腋窩温:口腔温より0.8~0.9℃低い
そのため、学校に行きたくない日や仕事に行きたくない日は、直腸温や口腔温を測定すると、体温が高いので休めるかもしれません。
熱産生
熱産生が大きいのは、骨格筋(70%)と肝臓(20%)です。
特に筋運動により基礎代謝の約10倍の熱を産生し、総熱産生の90%を占めます。
みなさんは、寒い時にふるえたことはありますか?
これは寒冷刺激による骨格筋の不随意の戦慄という現象が起きているのです。簡単にいうと、体温を上げようと、筋肉が働いて熱を発生させているのです。
熱放散
では体温を下げる時は身体はどうなっているのでしょうか?
みなさんご存じのとおり、熱放散の多くは発汗によって行われます。
詳しくは、こちらをご覧ください
熱放散は、
○発汗
発汗により皮膚表面を濡らし熱を逃がします。そのため、
汗をかいた後は冷えて風邪をひきやすいといわれるのです
○呼吸促進
主に呼気が熱放散を増加させる
○気管支拡張
○皮膚血管拡張
○排便・排尿
によって行われています。
平熱
ではいきなりですが、皆さんに質問です
Q.日本人の平熱は何度と思いますか?
実は、日本人の体温の平均値は36.6℃から37.2℃の間です。
この事実、私も勉強するまでは知らず、36.5℃ぐらいが平均かな?となんとなくで間違った知識を覚えていました。
そのためまずは”自分の平熱を知る”ことが必要です。
それを基準に自分が熱があるか否か判断しましょう。
同じ37.5℃でも、平熱が36.0℃の人と平熱が37.0℃の人では大きな差がありますのでまずは、自分の平熱を知りましょう。
ちなみに補足ですが、
感染症法では、37.5℃以上を「発熱」、38.0℃以上を「高熱」と分類します。
私自身、38.0℃を超えると仕事を休む基準と勝手にしていますが、発熱は身体からの危険なサインです。感染のリスクもあるため、すぐにかかりつけ医を受診しましょう。